天皇の退位
過日、今上天皇が生前退位したのち皇太子に天皇位を譲位したい旨を
皇后より皇太子に伝えたというニュースが大きく報じられました。
宮内庁は必死に否定していますが、今上天皇ははっきりとは仰っていないものの
そういう意向であるという点は最早間違いないとみていいでしょう。
神武以来125代、生前退位した天皇は特に珍しい存在ではありません。
ただこの200年ほどの間、自らの意思で位を退いた天皇がいないこと、
明治時代に制定された皇室典範に取り決めがなされていないことなどから物議をかもすことになったわけです。
またこれまでに挙がったことがある譲位の件も「生前退位はしない」という結論でまとまっています。
確かに今上天皇はお年で病気がちになり、天皇自らでなくてはならない公務を除いては代行を立てることも増えてきていました。
それゆえに公務をしっかり果たせる皇太子を若いうちに即位させたほうがよい、という意向もあるのでしょう。
ただ私見ではもうひとつ、今上天皇が意図しているものがあるように思えています。
それは次の次の天皇の存在です。
現在皇位継承順位は皇太子、秋篠宮、秋篠宮悠仁親王の各殿下の順となっていますが、
皇太子が即位するとなると皇室典範第8条「皇嗣たる皇子を皇太子という。皇太子のないときは、皇嗣たる皇孫を皇太孫という。」
秋篠宮はその際、天皇の弟(皇弟)となり、また既に宮家となっていることから立太子されることはなくなります。
秋篠宮悠仁親王は「皇統に属する男系男子」であるものの秋篠宮家を継ぐ立場でもあり、
悠仁親王が天皇になった場合、秋篠宮家は断絶することになります。
これは皇太子に男子がおらず、秋篠宮家にも男子が1人しかいないという特殊な状態だからこそ起きている問題です。
それゆえ次の次の天皇は誰がなるべきなのか、という論争が勃発するのですが、
私見では今上天皇はここにご自身の意向を示したいのではないかと推測しています。
自身の死後勝手に論争され勝手に決められるよりも、遺言のように意向を残しておくために、生前退位を望んだのだとしたら。
その通りになるかどうかはともかく、上皇の意向とあっては無碍にするわけにもいかないでしょう。
今上天皇らしい、細やかな心遣いと言えるように思えます。
皇后より皇太子に伝えたというニュースが大きく報じられました。
宮内庁は必死に否定していますが、今上天皇ははっきりとは仰っていないものの
そういう意向であるという点は最早間違いないとみていいでしょう。
神武以来125代、生前退位した天皇は特に珍しい存在ではありません。
ただこの200年ほどの間、自らの意思で位を退いた天皇がいないこと、
明治時代に制定された皇室典範に取り決めがなされていないことなどから物議をかもすことになったわけです。
またこれまでに挙がったことがある譲位の件も「生前退位はしない」という結論でまとまっています。
確かに今上天皇はお年で病気がちになり、天皇自らでなくてはならない公務を除いては代行を立てることも増えてきていました。
それゆえに公務をしっかり果たせる皇太子を若いうちに即位させたほうがよい、という意向もあるのでしょう。
ただ私見ではもうひとつ、今上天皇が意図しているものがあるように思えています。
それは次の次の天皇の存在です。
現在皇位継承順位は皇太子、秋篠宮、秋篠宮悠仁親王の各殿下の順となっていますが、
皇太子が即位するとなると皇室典範第8条「皇嗣たる皇子を皇太子という。皇太子のないときは、皇嗣たる皇孫を皇太孫という。」
秋篠宮はその際、天皇の弟(皇弟)となり、また既に宮家となっていることから立太子されることはなくなります。
秋篠宮悠仁親王は「皇統に属する男系男子」であるものの秋篠宮家を継ぐ立場でもあり、
悠仁親王が天皇になった場合、秋篠宮家は断絶することになります。
これは皇太子に男子がおらず、秋篠宮家にも男子が1人しかいないという特殊な状態だからこそ起きている問題です。
それゆえ次の次の天皇は誰がなるべきなのか、という論争が勃発するのですが、
私見では今上天皇はここにご自身の意向を示したいのではないかと推測しています。
自身の死後勝手に論争され勝手に決められるよりも、遺言のように意向を残しておくために、生前退位を望んだのだとしたら。
その通りになるかどうかはともかく、上皇の意向とあっては無碍にするわけにもいかないでしょう。
今上天皇らしい、細やかな心遣いと言えるように思えます。