新「経世済民」新聞
ロシア・ウクライナ戦争勃発から、
一年が経過しました。戦争が終わらない。
経営科学出版から
「危機の100年 1919-202X」を
リリースした関係で、
E・H・カーの「危機の20年」を
ひたすら読み解きました。
結果、自分がどれほど
「甘かった」のかを痛感することになった
わけでございます。
「戦争は他の手段による
政治的関係の継続に他ならない。」
は、プロイセンの軍人で
「戦争論」で有名な
カール・フォン・クラウゼヴィッツの言葉ですが、
人類は、あるいは国家は、
「将来的な戦争(敗戦)を防ぐために戦争する」
のです。
戦争の主たる原因は、戦争それ自体。
考えてみると、日露戦争は、
大日本帝国がロシア帝国の圧力を受け、
「将来的な対ロ戦争の敗北を防ぐために、
1904年に開戦した」のです。
将来的な戦争、あるいは敗戦は、
人間の「予測」に過ぎません。
とはいえ、現実に「単なる予測」が
戦争を引き起こす。
さらには、
やはり権力者の独裁性が
強ければ強いほど、
戦争の「確率」は高まる。
その際に、「国際協調」という
ユートピアニズムは機能不全に陥る。
『プーチン氏、ロシア国家・
国民の生き残りを賭けた戦争と強調
ロシアのプーチン大統領は、
現在ウクライナに対して
進めている戦争について、
ロシアの国家・国民が生き残るための
戦いだと強調した。
国営テレビロシアが22日に収録した
プーチン氏のインタビューを
26日に放映した。
1年前のウクライナ侵攻以降、
プーチン氏は日増しに
ロシアの将来が危機に陥っている
との考えを前面に打ち出し、
「西側諸国の目的は1つしかない。
つまり旧ソビエトとその根幹を成す
ロシア連邦の解体だ」と訴えた。
さらにプーチン氏は、
西側はロシアを分割して
世界最大の資源生産国を
支配しようとしており、
そうなれば多数派のロシア人を含めた
多くの国民の破滅につながりかねない
と指摘した。(後略)』
もちろん、NATO側は
プーチン大統領の見方を否定し、
「自分たちの目的は
挑発によらざる侵略を受けた
ウクライナの防衛を手助けすることに尽きる」
と、反論しています。
とはいえ、
プーチン側からしてみれば、
ウクライナがNATOに加盟し、
国境にミサイル基地を作られ、
ロシアの安全保障が脅かされるという
「将来の敗北」を防ぐために、
ウクライナに侵略した。
という、理屈は成り立つわけです。
そこに「合理性」や「理念」はなく、
あるのは「生存」のみです。
また、2014年に
ロシアがクリミア半島を一方的に
併合した際に、アメリカ・カナダ・イギリス
さらに他の国々も、
ロシアの関与はウクライナに対する
ブダペスト覚書の義務違反行為と
批判しました。
それに対するプーチン大統領の反論は、
「ウクライナの現状は革命であり、
新たな国家が起ち上がった時で、
この新たな国家に関しての、
義務的な文書には何ら署名していない 。」
というものでした。
E・H・カーは
「危機の20年」で元祖リアリストとして
マキャヴェッリを取り上げています。
マキャヴェッリの「君主論」の、
「人は本質的に悪なのだ。
だから人はあなたとの約束を守らないし、
あなたもまた、
約束に縛られる必要はない。
約束を不履行にするような
合法的な口実は、
望むままにいくらでも生み出せる。」
という言葉を思い出さずには
いられませんでした。
E・H・カーは、
「危機の20年」の序文で、
「私は本書を来たるべき
平和の創造者たちに
あえて捧げたいのである。」
と書いています。
平和を望むならば、
リアリズム、国際政治、
そして戦争について
学ばなければならない。
「平和憲法」とやらの
ユートピアニズムに支配され、
80年近くも「平和ボケ」を続けてきた
日本国民の一人として、
わたくしは「将来の平和」のために、
今、戦争について学ぼうと
決意したのでございます。
一年が経過しました。戦争が終わらない。
経営科学出版から
「危機の100年 1919-202X」を
リリースした関係で、
E・H・カーの「危機の20年」を
ひたすら読み解きました。
結果、自分がどれほど
「甘かった」のかを痛感することになった
わけでございます。
「戦争は他の手段による
政治的関係の継続に他ならない。」
は、プロイセンの軍人で
「戦争論」で有名な
カール・フォン・クラウゼヴィッツの言葉ですが、
人類は、あるいは国家は、
「将来的な戦争(敗戦)を防ぐために戦争する」
のです。
戦争の主たる原因は、戦争それ自体。
考えてみると、日露戦争は、
大日本帝国がロシア帝国の圧力を受け、
「将来的な対ロ戦争の敗北を防ぐために、
1904年に開戦した」のです。
将来的な戦争、あるいは敗戦は、
人間の「予測」に過ぎません。
とはいえ、現実に「単なる予測」が
戦争を引き起こす。
さらには、
やはり権力者の独裁性が
強ければ強いほど、
戦争の「確率」は高まる。
その際に、「国際協調」という
ユートピアニズムは機能不全に陥る。
『プーチン氏、ロシア国家・
国民の生き残りを賭けた戦争と強調
ロシアのプーチン大統領は、
現在ウクライナに対して
進めている戦争について、
ロシアの国家・国民が生き残るための
戦いだと強調した。
国営テレビロシアが22日に収録した
プーチン氏のインタビューを
26日に放映した。
1年前のウクライナ侵攻以降、
プーチン氏は日増しに
ロシアの将来が危機に陥っている
との考えを前面に打ち出し、
「西側諸国の目的は1つしかない。
つまり旧ソビエトとその根幹を成す
ロシア連邦の解体だ」と訴えた。
さらにプーチン氏は、
西側はロシアを分割して
世界最大の資源生産国を
支配しようとしており、
そうなれば多数派のロシア人を含めた
多くの国民の破滅につながりかねない
と指摘した。(後略)』
もちろん、NATO側は
プーチン大統領の見方を否定し、
「自分たちの目的は
挑発によらざる侵略を受けた
ウクライナの防衛を手助けすることに尽きる」
と、反論しています。
とはいえ、
プーチン側からしてみれば、
ウクライナがNATOに加盟し、
国境にミサイル基地を作られ、
ロシアの安全保障が脅かされるという
「将来の敗北」を防ぐために、
ウクライナに侵略した。
という、理屈は成り立つわけです。
そこに「合理性」や「理念」はなく、
あるのは「生存」のみです。
また、2014年に
ロシアがクリミア半島を一方的に
併合した際に、アメリカ・カナダ・イギリス
さらに他の国々も、
ロシアの関与はウクライナに対する
ブダペスト覚書の義務違反行為と
批判しました。
それに対するプーチン大統領の反論は、
「ウクライナの現状は革命であり、
新たな国家が起ち上がった時で、
この新たな国家に関しての、
義務的な文書には何ら署名していない 。」
というものでした。
E・H・カーは
「危機の20年」で元祖リアリストとして
マキャヴェッリを取り上げています。
マキャヴェッリの「君主論」の、
「人は本質的に悪なのだ。
だから人はあなたとの約束を守らないし、
あなたもまた、
約束に縛られる必要はない。
約束を不履行にするような
合法的な口実は、
望むままにいくらでも生み出せる。」
という言葉を思い出さずには
いられませんでした。
E・H・カーは、
「危機の20年」の序文で、
「私は本書を来たるべき
平和の創造者たちに
あえて捧げたいのである。」
と書いています。
平和を望むならば、
リアリズム、国際政治、
そして戦争について
学ばなければならない。
「平和憲法」とやらの
ユートピアニズムに支配され、
80年近くも「平和ボケ」を続けてきた
日本国民の一人として、
わたくしは「将来の平和」のために、
今、戦争について学ぼうと
決意したのでございます。